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Saturday, February 22, 2020

高級食材ウニがピンチ! 水揚げ高が大幅減少 打開策として与えた「驚きのエサ」とは? - www.fnn.jp

“伝統の味”が危機的状況

隙間なく、ぜいたくに敷き詰められたウニの粒。
釜飯にも食欲をそそるオレンジ色のウニがたっぷり!

ひとたび頬張れば、磯の香りとうまみが口いっぱいに広がる。

山口・下関市。
高級食材であるフグの町として有名だが、もう一つ、自慢の特産品がある。

藤野龍太記者:
ありました! ウニ醤油にウニめし! そして、たくさんの種類の瓶詰めウニが並んでいます

下関市は「アルコール漬け瓶詰めウニ」発祥の地。
明治時代に生まれたとされる伝統の味だが、いま、危機的な状況に陥っている。

バフンウニが捕れない!! 海中の“異変”とは

山口県うに協同組合・中島豪会長:
とにかく原料が欲しい。バフンウニが欲しいという状態です

ーー地元のウニがゼロになる?

山口県うに協同組合・中島豪会長:
そういう時代も本当に想像できるような状態

主な原料となるバフンウニが「捕れない」と頭を抱えるのは、漁師の中島さん。
近年、下関市近海のバフンウニの水揚げ高は年々減少していて、2013年以降、約3割にまで落ち込んだ。

幼少のころから海に潜ってきた中島さん。
バフンウニの餌となる海藻について、ある異変を目の当たりにしていた。

ーー海中の様子は?

山口県うに協同組合・中島豪会長:
最悪ですよね。海岸線の磯場では“磯焼け”がひどくて、海藻がほとんどダメな状態

海の中で何が起こっているのか?
市の協力を得て、カメラで海中の様子を覗いてみると...

海底で静かに動く黒い生き物は、ウニ。

激減したはずのウニがたくさん...これはいったい?

ーー結構ウニいますよ?

下関市 栽培漁業センター・手塚潤所長:
ムラサキウニですね。身入りが大変悪くて、なかなか漁獲されないのが現状

海底を埋めるウニの正体は、バフンウニではなく、身入りが悪いムラサキウニだった。
バフンウニと比べると、その差は一目瞭然。
ムラサキウニはバフンウニよりも一回り大きく、海藻を食い尽くすため、「磯焼け」を引き起こす厄介者として扱われている。

海藻を猛烈な勢いで食べるムラサキウニが、バフンウニを激減させた原因なのか?
取材を進めると、別の問題も浮かび上がってきた。

山口県水産研究センター・内田明研究員:
2013年の8月に、山口県沿岸で高水温が続いた年がありまして、同じ仲間のアカウニでは、31度を超えると斃死が始まると報告されています。バフンウニでも同じように高水温の影響を受けて、資源が減ってしまった

ウニ死滅に海藻減少...海水温上昇で影響が

バフンウニが急激に減少する境目となった2013年、山口県沿岸の水温は32度を超えるなど、記録的な高さとなった。

山口県水産研究センター・内田明研究員:
バフンウニは浅瀬に生息しているウニですので、水深が浅い分ですね、大気・気温の影響を強く受けます

海水温の上昇がもたらす悪影響は、ほかにも...
真っ黒に染まった海岸。
これはすべて、高い水温に耐えられず、枯れて打ち上げられた海藻。

そして、草食性の魚・アイゴ。
海水温の上昇により、日本近海で冬を越すようになり、海藻を食い荒らしているという。

山口県水産研究センター・内田明研究員:
“磯焼け”は全国的にも確認されている話です。特に魚類による食害は、南の方から順々に広がってきている状況で、今後、山口県のほうも注意して観察しなければならない

異例の高い水温に加え、餌となる海藻までもが減っているという二重の危機。
特産品である瓶詰めウニを安定的に生産していくため、下関市はバフンウニの養殖に力を入れ始めた。

ムラサキウニの餌にトマトやイチゴ? 驚きの取り組みも

さらに、こんな驚きの取り組みも...

下関市 栽培漁業センター・手塚潤所長:
野菜をあげているウニが、こちらになります。トマトとイチゴをあげている

ーーウニはトマトやイチゴを食べる!?

下関市 栽培漁業センター・手塚潤所長:
もりもりと食べていまして、体の下に入れているのは食べているところになります」

与えていたのは、なんと野菜や果物。
海藻以外の食材を与えることで、厄介者のムラサキウニの身入りを増やすだけでなく、海藻の保全につなげようという試み。
将来的には農協と手を組み、廃棄されるはずの野菜を有効活用したいと考えている。

下関市 栽培漁業センター・手塚潤所長:
トマトを与えたウニが、味がさわやかになったとか、磯臭さがなくなったとか、食べやすいウニになっている。
漁業価値を高めることによって少しでも漁獲してもらって、蓄養によって味を向上させて出荷できればいいなと。
資源管理を図る目的で取り組んでいます

ウニを通して見えてきたのは、海からのSOS。
漁業者たちの生活だけではなく、将来的には、私たちの食生活にも深刻な影響を及ぼすおそれがある。

山口県うに協同組合・中島豪会長:
年々海の産物が、ウニだけに限らず、魚にしても海藻にしても減っていますんで、大事に食していただいて、無駄に廃棄しないようにしてもらいたい。
われわれもその分、少しは頑張らないといけない

(テレビ西日本)

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February 22, 2020 at 06:00PM
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