新型コロナウイルスの感染拡大で世の中が暗いムードに包まれる中、札幌市内で自主トレを続ける日本ハム中田翔内野手（31）が24日、“レベチ”な演技？　で笑いを届けた。2日前に31歳の誕生日を迎えたばかり。この日、オンライン取材に応じ、報道陣に向かって「あれ？　ケーキは用意してないの？」と、画面越しに訴えた。

眉を下げ、何度も首をかしげた。祝福の言葉はあっても、肝心のケーキがどこにも見当たらない。「あれ？　おかしいなあ、おかしいなあ。他の選手ならあるのになあ」。なんとも悲しげな表情を浮かべ、本気なのか冗談なのかわからない演技で笑いを誘った。

31歳は、特異な年となった。例年なら届く、ファンの声が聞こえない。「ファンに球場で祝ってもらう喜びもあったので、今回はそれがなくてちょっと寂しかった」。家族と食卓を囲み、幼い3人の子どもたちからもらった手紙に癒やされた。「最高のプレゼント。しっかり読まないと何を書いているのか分からないような字で『大好き』とか、そういう手紙をもらえていることに感謝している。一番の宝物」と目を細めた。

開幕の見通しが立たない中、孤独な練習が続き「試合をしたくて、うずうずしている」。4番として栗山監督から期待を受ける大砲は「毎年、監督の思いに応えたいと思っている。うれし涙を流してもらいたい」と、目標達成へ粛々と準備を進める。【中島宙恵】