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Thursday, August 20, 2020

コロナで休業、つかんだ新メニュー 地元食材に注目「茶そば」提供 - 西日本新聞

 福岡県上毛町垂水の「そば処 白水」は、6月から新メニューの「茶そば」を提供している。新型コロナウイルスの感染拡大で休業を余儀なくされた間に、店主の白水政雄さん(55)が考案した。「収束がいつになるかを考えたら、どうしようもない不安はある。ただ、できることをやっていくしかない」。福岡市から移住し開業して約3年。ようやく軌道に乗り出した直後の試練にも負けまいと、研究を重ねる。

 イベント会社に勤務していた白水さんは、6年ほど前に筑紫野市のそば教室に通い、そばの魅力を知った。妻の和子さん(55)が大分県中津市出身だった縁で、近隣の上毛町に移り住み開業した。

 53歳からのセカンドライフ。自宅兼店舗は築80年ほどの古民家だ。提供するのは、茨城県産と豊前市のそば粉を使った十割そば。カツオのだしとよく合う。開店当初は手際が悪く、客が集中すると長時間待たせることもあり、きちんとした料理が出せたか反省の毎日だった。

 昨年、ようやく黒字になったものの、新型コロナによる緊急事態宣言で4月下旬から休業。テークアウトには向かないと考え、赤字を承知の上で何もしないことを選んだ。「ただ、休むからには何らかのものを結果として出したいと思った」

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 5月中旬、地元の茶園から新茶摘みに誘われた。初めての体験は気分転換になった。そこで食したのが新茶の天ぷら。口の中に茶の香りと苦みが広がった。絶品だった。

 これをきっかけに茶そばを試作。常連客に食べてもらい、感想を聞いた。「風味も色も出ていない」。最初は厳しい意見をぶつけられた。力になった。粉茶をミキサーでさらに細かくし水出ししてそば粉に加えた。さらに水で締めたそばにもミキサーにかけた粉茶を振った。色も香りも出て、常連客の反応も良くなった。

 6月から営業再開。玄関には消毒液、店内には空気清浄器を置くなど対策を取った。茶そばは1日5食限定で提供を始めた。通常の十割そばと食べ比べられる「二色そば」も好評だ。

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 7月下旬。希望者を対象に開いているそば教室に2人の女性が参加した。その一人、小森禎子さん(59)は、大分県宇佐市から上毛町に移住して9月に飲食店をオープンさせる予定。そこでメニューにそばを加えたいと学びに来た。「ここのそばがおいしくて、ファンなんです」と小森さん。

 「こねる際は、体重を掛けてください」。白水さんも教える声に力が入る。自身と同じように、移住し第二の人生を歩もうとする彼女を応援したいと思う。

 客足は依然、休業前の8割ほどにとどまる。「コロナの収束はまだ先。感染防止を徹底しながら、やっていくしかない。茶そばのように、地元の素材を使った料理をもっと提供できたら」。コロナ禍での田舎暮らし。不安はあるが、希望は忘れない。 (浜口妙華)

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August 19, 2020 at 10:12PM
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