コロナ禍により「免疫力」という言葉に敏感になっているビジネスパーソンは多いだろう。
女子栄養大学栄養生理学教授の上西一弘先生は、「この時期は免疫力を上げることばかりに目がいきがちですが、免疫を下げずに維持することも重要」だと話す。
免疫を下げずに維持するにはどんな食材を意識して摂取すれば良いか、上西先生の解説のもと紹介する。
【取材協力】
上西一弘先生
女子栄養大学栄養学部教授、栄養学博士。徳島大学医学部栄養学科卒業。食品関連企業に就職し入院患者向 けの流動食の開発に携わる。1991年より女子栄養大学に勤務。食べることを一歩進め、選手のパフォーマンスが上がり、 勝てる身体を作るためのスポーツ栄養学を研究し指導を行う。
免疫力を低下させない食事とは?
上西先生は 「免疫力の低下の原因は、ストレス、疲労、睡眠不足などさまざまありますが、重要なのは食事と栄養です」と話す。
食事からとる多くの成分が総合的に作用しながら免疫力を維持するため、いろいろな食品から、栄養バランスの取れた食事をとることが必要だという。つまり、免疫力を維持するためには、“免疫に関与するすべての成分を摂取する”のが、科学的な根拠に基づいた方法だそうだ。
「免疫力を維持するためには、エネルギーとなるタンパク質、脂質、炭水化物のバランスが重要です。ダイエットのために炭水化物を抜くのは、タンパク質や脂質が過多になるためオススメしません。また、ビタミン、ミネラル、食物繊維を豊富に含む食材を摂ることも大切です」
●ビタミン、ミネラル、食物繊維を豊富に含む夏の食材
1.カボチャ(西洋カボチャ)
「ビタミン、ミネラル、食物繊維を豊富に含む食材は、一般的には、野菜、果物が挙げられます。夏の食材ということであれば、カボチャ(西洋カボチャ)がおすすめです。βカロテン、カリウム、食物繊維を特に多く含んでいます」
2.オクラ・枝豆
「オクラや枝豆もビタミン、ミネラル、食物繊維の供給源になります。色の濃い野菜がおすすめです。ただし、キュウリや夏の果物、スイカなどは水分補給にもつながるため、適宜取り入れましょう」
●代表的な夏の野菜・果物のβカロテン、ビタミンC、カリウム、食物繊維の含量(100gあたり)
抗酸化力の高い食材も重要
加えて、上西先生は抗酸化力の高い食材も重要だと話す。
「免疫力の維持、増進には栄養バランスのとれた食事とともに、 抗酸化力の高い食材を意識して摂りましょう。
ポリフェノール、ビタミンC、ビタミンEなどが抗酸化作用の高い成分として知られています。活性酸素やフリーラジカルは、老化、がん、生活習慣病に関係しており、適当な量を保つことで免疫力も保たれることがわかっています。つまり、抗酸化力が高い食品をとることが、免疫力の維持、増進につながります」
●ポリフェノール、ビタミンC、ビタミンEが多い夏の食材
1.キウイフルーツ
「キウイフルーツはポリフェノール、ビタミンC、ビタミンE、カロテノイドなど免疫システムに作用するさまざまな栄養素を含んでいます。一般的に、果物も免疫力維持のための栄養の供給源になりますが、野菜ほどの寄与率はありません。その点、キウイフルーツは特別な食品ということができると思います」
2.ピーマン
「ビタミンCを多く含む食品としては、アセロラやケール、グァバ等がありますが、これらは日常的にそれほど多く摂取する食品ではありません。夏野菜で比較的多く摂取するものとしては、ピーマンが挙げられます」
3.枝豆、カボチャ、ナス
「ビタミンEは枝豆、カボチャ、ナスが良い供給源となります」
4.ナス・ブドウ・お茶・大豆などの豆類・そば
「ポリフェノールはいろいろな種類がありますが、アントシアニンであればナスやブドウ、カテキンはお茶、イソフラボンは大豆などの豆類、ルチンはそば等に多く含まれています。
なお、ポリフェノールが直接免疫に関与するということではなく、抗酸化作用を介して免疫に関与するものと考えられます」
色の濃い野菜を選ぼう
繰り返しになるが、免疫力維持のポイントはさまざまな食品から必要な栄養素を摂ることだ。
「1つの食品で完璧な完全食品というものはなく、いろいろな食品を組み合わせることが重要です。一つの目安として『色の濃い野菜を選ぶこと』が重要だといえます」
感染予防はまだまだ手を抜けない。免疫力を下げないためにも、今の旬の食材をうまく選んで乗り切ろう。
取材・文/石原亜香利
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August 19, 2020 at 07:01PM
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