ロシアで日本発祥のスイーツが急速に普及し、大手スーパーなどに販路を広げている。日本料理といえば、すしやラーメンが中心だったが、昨年から大判焼きやスフレチーズケーキ店が相次ぎお目見え。流行の背景にスラブ系民族の習俗を指摘する声もある。 (モスクワ・小柳悠志)
◆1日200個売り上げも
モスクワの商業施設で昨年2月に誕生したのは大判焼き専門店「ヤキ」。旧ソ連アルメニア出身のエドワルド・スワリャンさん(34)が韓国を旅行中に大判焼きに魅了され、調理器を台湾から取り寄せて開業した。
ロシア国営メディア「スプートニク」によると大判焼き店はロシアで初めて。美食ブロガーらが会員制交流サイト(SNS)に投稿して有名になり、1日に200個以上売れる日もある。エドワルドさんと店を営む弟エドガルさん(31)は「日本人から『日本の大判焼きに劣らない味』と声を掛けられる」と手応え。2号店も計画中という。
◆共通点は「粉もの」
ロシアで人気を集める和スイーツは、大判焼きやホットケーキなど、いずれも小麦粉が原料で丸形という共通点がある。
この点、ロシアで古くから食べられてきたクレープ「ブリヌイ」との関連性を指摘するのが、モスクワの実業家ビクトル・フョドロフさん(31)。ブリヌイはキリスト教を受容する前の多神教の時代、スラブ系民族の間で太陽の象徴と見なされ、春祭りで食べる習わしが続いてきた。
◆カフェで日本風ホットケーキも
ビクトルさんは日本料理店で働いていた頃、ロシア人がブリヌイに近い菓子を好むことに注目。日本の知人を通じて、スフレチーズケーキの作り方を研究した。昨年8月にスフレケーキを売り出したところ、ヒット商品に。最大手スーパーの1つから声が掛かり、3月から別のチーズケーキの納入を始めた。
ロシアの料理専門家マクシム・クリショフさん(32)は「スフレケーキはロシアでトレンドになりそう」と分析する。日本風のホットケーキを提供するカフェも都市部で増えている。ロシア政府統計によると1995年に65歳に満たなかった国民の平均寿命は、2019年には73歳まで伸びた。ロシア人の間では健康志向が高まっており、「ヘルシー」とのイメージがある日本食材を取り扱うスーパーも増えた。
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