コロナ禍のなか、あらゆる手で集客を図る大手百貨店
前回記事では「仮想・新宿伊勢丹」を開店させ、将来的には「VR空間に新宿の街並みを丸ごと再現する」ことをめざす三越伊勢丹の挑戦を紹介した。 もちろん、こうした個性的な新事業に取り組んでいるのは三越伊勢丹だけではない。コロナ禍により「立地」と「接客」という2つの集客のカギが揺るがされることとなった大手百貨店各社は、いずれも様々な手段で新たな顧客の獲得へと動いている。 今回は、そうした大手百貨店各社による「コロナ禍のなか生まれた新事業」を紹介したい。
大丸松坂屋は「サブスク」に参入――「百貨店商品」で差別化めざす
北海道から九州まで広く展開する「大丸松坂屋百貨店」(東京都江東区)。同社が今年3月から始めたのは「高級ブランド服のサブスク事業」だ。 そのサービス名は「AnotherADdress(アナザー・ア・ドレス)」。内容は「月極め料金を払えば1ヶ月3着まで衣料品を中心としたブランドアイテム3品をレンタルできる」というもので、料金は送料・クリーニング費用込みで1万1,880円(税込)、休会・退会も自由だ。百貨店がこうした高級ブランド服のサブスク事業を開始するのは初のことだという。 開始時の取り扱いブランドは約50で、JILLSTUART、Polo Ralph Lauren、Weekend Max Maraなど百貨店で販売されている高級が中心。気に入ったアイテムは特別価格で購入することも可能になるという。 様々なコンテンツの「サブスク」が流行している昨今ではあるが、「AnotherADdress」が扱うブランドはその殆どが「サブスクサービス初登場」だという。 ありそうでなかった「百貨店ならでは」の高級ブランドサブスク。まだ開始されたばかりであるが、コロナ後に自由に出かけることができる世の中となれば人気を集めることになるかも知れない。
阪急は「ケーキの出前」を拡大――カギは「医療用バッグ」
関西の雄「阪急百貨店」(阪急阪神百貨店、大阪市北区)が開始したのは、百貨店業界初だという「ケーキの出前」だ。 阪急百貨店の冷蔵ケーキ宅配サービスはコロナ禍前の2019年10月より「HANKYU CAKE DIARY」として大阪市周辺で開始されたもので、阪急阪神百貨店のネットショップから様々なケーキを選んで注文すれば自宅に新鮮なケーキが届くという、いわば「ケーキの出前」サービス。「出前サービス」は今や戦国時代の様相を呈しているが、阪急のサービスは医療用の冷蔵輸送バックを元に独自に開発した特製バッグを用いて配達することが特徴で、デリケートなケーキでもかたちを壊すことなく、鮮度を保ったまま届けられるようになったという。 実店舗に足が運びづらい状況ということもあり、コロナ禍でも阪急のケーキ宅配サービスは好調で、2020 年度下期の受注数は、前年同期比約 4 倍(冷凍ケーキ宅配サービス含む)に急成長。2021年4月19日からは「TOKYO CAKE DIARY by Hankyu(東京ケーキダイアリーby阪急)」と題して首都圏でも開始されることとなった。サービスには「日本橋千疋屋総本店」「新宿 高野」「パティスリー カメリア銀座」「ピエール・エルメ・パリ」など都内の有名店も多数参加。現時点では港区、渋谷区、新宿区など都心地域のみでの展開であるが、5月16日までは通常990円の配送料が半額となるキャンペーンも実施されている。ピザを注文する感覚で高級ケーキを頼んでみてはどうだろうか。
からの記事と詳細 ( 「ケーキの出前」に「高級ブランドのサブスク」も――コロナ禍のなか「進化」する百貨店(HARBOR BUSINESS Online) - Yahoo!ニュース - Yahoo!ニュース )
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