復興庁は東京五輪・パラリンピックの選手村(東京都中央区)で、福島県産食材の安全性PRの強化に乗り出した。選手村の食堂では、福島を含む東日本大震災の被災地の食材が使われているが、産地表示がなく、取り組みが不十分という声が国会などであがっていた。ポスター掲示などで、食の安全をアピールする。
選手村では、ポスターや広告の掲示が原則認められていない。復興庁は開会前に大会組織委員会に掲示を打診したが、「認め出すと切りがなくなる」などと断られていた。だが、福島第一原発事故の風評払拭(ふっしょく)には必要と再交渉し、特例として認められたという。
英語、仏語、日本語の3種類のポスターは、5日夜、選手村の食堂とカフェに貼り出された。登場するのは、農産物の安全性を証明する国際認証「グローバルGAP」の取得に取り組む福島県立岩瀬農業高校の女子生徒5人。野菜や果物を手に、「福島のおいしさで、世界を唸(うな)らせたい」とのメッセージを発信している。QRコードを読み取ると、放射性物質の検査を徹底していることなどがわかる。
海外メディアが集まるメインプレスセンターでは6日、農林水産省が説明会を急きょ開き、外国人記者ら23人が耳を傾けた。同省の担当者は「福島の食材は厳しい出荷基準が設定され、安全は確保されている」と訴えた。
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