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こちらは、安芸高田市にいるシカです。田んぼや畑を荒らすため、年間で３０００頭近くが捕獲されています。その安芸高田市のシカが、東京の高級レストランで注目の食材になっています。 熱々のお肉…。東京で人気のイタリアンレストランで提供されているハンバーグです。実はこの肉・・・安芸高田市の鹿です。この安芸高田市の鹿肉がいま東京のミシュランガイド掲載の店など有名なレストランで人気のメニューとなっています。 「一番多く言われるのが、こんな鹿食べたことないと。うまみがすごく強い。」「鉄分が多くて、女性に好まれる素質をもっている肉。」（カンティーナカーリカ・リ シェフ） 「鹿なんだけど、おいしいくせしか残っていない初めて出会った鹿ですね。」（紀尾井町 福田家（ミシュラン２つ星店）松下俊一 料理長） シェフたちが絶賛する安芸高田市のシカ。ただ、地元ではシカは田畑の農作物を荒らすやっかいものの「害獣」です。 安芸高田市では毎年およそ３千頭が捕獲されています。向原町の有害鳥獣捕獲班は、月に２回、活動しています。 この日はハンター歴５０年、４０年のベテランなど１０人程度で捕獲を開始・・・山を囲むようにしてシカを追い出し、出てきたところを銃で仕留めます。 猟犬の鳴き声を頼りにシカを探します。 「いま音が聞こえたでしょ。ちょんちょんちょん。あれが鹿のかける音。」（向原町有害鳥獣捕獲班 小野恭司さん） 姿は見えませんが、近くにいるシカ…。開始からおよそ１時間…。 シカを発見！しかし、そのまま逃げていってしまいました。その後も山を変えるなどして２時間ほど探し続けましたが、現れませんでした。 「多いときは１０頭くらいかけるんじゃがね。繁殖期に入っているから用心しているのか知らないけど、動かんよね鹿が・・・。」（向原町有害鳥獣捕獲班 古門正文さん） 銃での捕獲はできませんでしたが、箱のわなにシカが捕まっていました。鹿の大部分はわなで捕獲されています。 「年齢でいえば３歳くらい。向原でいえばわなが５０～６０個ある。毎日えさをやらないといけない、えさが腐ったらこないから。その管理も大変。」（古門正文さん） 「有害鳥獣駆除はなくては農家の方も困る。できるだけ成果をあげたい。」（小野恭司さん） シカを捕えたらすぐに食肉加工場に向います。ここでは月に５０から６０頭のシカが解体されています。 「命をとったから少しでも粗末にしないようにしないといけないよね。」（古門正文さん） そして、ここで食肉処理されるシカの８割以上が東京に出荷されていくといいます。 「（出荷は）広島もあるが、東京の方で、なんでか知らんけど評判がいいけんね。東京ばっかりいく。」（古門正文さん） なぜ安芸高田市の鹿肉が東京で一躍人気になったのか・・・。全国各地の「食」の情報を伝えるＷＥＢマガジンなどを運営する会社の代表、金沢大基さんです。金沢さんは３年前、東京で開かれたイベントがきっかけで安芸高田市を訪れるようになりました。 「すばらしいものがたくさんあったが、鹿がぴょんぴょんはねてるのを何回かみかけて。」（ID 金沢大基代表） 市内の世帯数を超える３万頭以上のシカがいると聞いた金沢さん。一方で、優秀なハンターがいて加工場も作られているのに、肉の流通がうまくいっていないという現状を知りました。 「ハンターさんに会いに行って、実際に鹿肉がおいしいかどうかを試してみたいと話をして、東京の料理人たちに鹿肉を持って帰って使ってもらったのがはじまり。」（ID 金沢大基代表） 金沢さんは安芸高田市で獲れる鹿肉を『ＰｒｅｍｉｕｍＤＥＥＲ 安芸高田鹿』としてブランド化。２年前から徐々に有名な店で扱われるようになりました。 「自分自身が鹿と出会って、まちの人にであって、東京の人につかってもらって、そこの架け橋みたいなことがすこしでもできている実感しているうれしい。」（ID 金沢大基代表） 東京に本社を構えていますが、安芸高田市にも今月、サテライトオフィスを開設して、今後は、期間限定のレストランや商品開発を進めていくことにしています。 「地元の人にも鹿の魅力を改めて感じてもらえたらうれしい。」（ID 金沢大基代表） 地元では厄介者の華麗な転身…。「安芸高田鹿」は、まだまだこれから発展していく可能性を秘めていそうです。
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