今回は、多数の廉価スマートフォンやタブレットをリリースしているBlackviewから、5月20日に発売される同社初となる折りたたみ式スマートフォン「Blackview HERO 10」の提供があったのでレビューします。
5月20日〜6月7日までの期間、AliExpressのこちらのページで発売セールが実施されます。
早期価格は404ドル(約62,000円)となっているため、Y!mobileから出ているZTE製の「Libero Flip A304ZT」の端末価格63,000円を若干下回り、世界最安の折りたたみスマートフォンとなります。
ただしZTEの方はY!mobileの通信プランとセットで割引になることがありますし、「Blackview HERO 10」はドルベースなので為替変動で円ベース価格は変わること、また早期価格期間を過ぎてからいくらになるかは明らかになっていません。
そのため、”世界最安”というのはあくまで、現在の為替水準のもと、発売セール期間の早期割引価格においてのみ、という但し書きが必要になります。
とはいえ、一般的には15万円ほどは覚悟しなければいけないフリップタイプの折りたたみスマホがこの価格でゲットできるというのは、やはり魅力的な選択肢でしょう。
↓のように6.9インチ有機ELのパンチホールカメラ搭載クラムシェル型端末です。
背面には円形タッチ対応ディスプレイと、108MPメインカメラがついています。
カメラアプリで↓のように上下で表示画面を分けるようなフリップに合わせたソフトウェアも搭載されています。
それでは、見ていきましょう!
外観とスペック
まず同梱物から。本体のほか、純正ケース、マニュアル類、USB-Cチャージャー、USB-Cケーブル、SIMピンがついています。はじめから純正ケースがついているのは廉価中華スマホの美点です。
6.9型メインディスプレイは2.5k解像度のAMOLEDで、フロントに32MPのパンチホールカメラがついています。
スペックですが、SoCにはMediaTek Helio G99、Mali-G57 MC2 GPU、12GB LPDDR4x RAM、256GB UFS2.2ストレージ、6.9インチ(2560×1080)有機ELディスプレイ、最大1,300ニト、60Hzリフレッシュレート、4,000mAhバッテリー、リア108MP+8MP、フロント32MPカメラ、Android 13ベースのDokeOS 4.0という構成。
Helio G99は、おおむねSnapdragon 695と同じくらいのパフォーマンスです。
デュアルnano SIMとGPSに対応していて、対応バンド帯は2G:b2/b3/b5/b8、3G:d1/b2/4/b5/b8/Bc0/bc1/bc10、4G:B1/b2/b3/b4/b5/b7/b8/b12/b17/b18/b19/b20/b26/b28a/b28b/38/39/40/41/b66となっています。
充電は45w対応で、生体認証は顔と指紋に対応。指紋認証は電源ボタン兼用です。
また、OSはAndroid 16までアップデートされるとのことです。
デザインはスッキリしていて、ハンドフィット感も良好です。
背面ディスプレイは円形でタッチ対応。ここで何ができるかは後述します。
右側面には、指紋認証兼用の電源ボタンと音量ボタン。
底面にはUSB Type-CポートとSIMスロット。
上部にはマイクとスピーカーのみで、
左側面には特に何もついていません。
折りたたんだ時は、↓のようにヒンジ部にBlackviewロゴが見えるようになります。
ヒンジの作りですが、こればっかりは使い込んでみないと善し悪しや耐久性は分かりませんが、少なくとも現在は特に問題があるようには見えません。
↓のようにピッタリと閉じます。
安定して立てかけられる限界角度は↓くらいです。
↓の手前がLibero Flipですが、安定して立てられる限界角度は両者ほぼ変わりません。
閉じたときの底面は↓の通り。
付属のピンで取り出すと、↓のように表裏に1枚ずつnano SIMを入れられるスロットが出てきます。microSDには対応していません。
厚さは、開いた時が実測で7.5mm。
閉じたときが、15.7mmでした。
重量は、フィルムやケースを何も付けない状態で、ぴったり200gでした。
ケース付属が嬉しい
そこまで流通量が多くないスマホの場合はケースを探すのに苦労しますが、本機ははじめから本体色に合わせたケースが付属します。
フリップ式によくある、上下にそれぞれ分かれてはめ込むタイプ。
ディスプレイ側から見ても、表示を損なうことはありません。↓
折りたたむと、↓のようにヒンジ部のシルバーが見えます。
もちろん多少分厚くはなりますが、フィット感良く、フリップ向けケースとして特に欠点は無いでしょう。
カバーディスプレイの機能
カバーディスプレイですが、ロックがかかっている時は↓のように時間のみが表示されます。
設定画面から、表示内容をカスタマイズできます。
また、アンロック時の時計表示は、デザインも変えられます。
指紋認証でアンロックすると、↓のように時計のほか、日付、曜日、バッテリー残量が表示されます。
左右にスワイプすると、↓のように音楽再生(動画再生は非対応)
天気予報、
リアカメラをセルフィーのように使えるカメラ画面、
通知が確認できます。↓
カメラは、↓のようにリアカメラからのプレビューとシャッターボタンが表示されます。
実際の使い勝手
実際の使い勝手ですが、全体的にシンプルで悪くないと思います。
カメラ画面でアイコンをタップすると、↓のように操作部が下半分、プレビューが上半分に表示されたり、あとは画面分割で上下に別アプリを表示するといった使い方ももちろんできます。
初期設定を終えたホーム画面が↓。
プリインアプリは↓です。Blackviewはロシア語圏でよく売れるようで、ロシアでよく使われるアプリがいくつか入っています。アンインストールすれば特に問題ないでしょう。
DokeOSはシャオミのUIに倣っていて、よく似ています。
設定画面は↓の通り。日本語表記もあまりおかしなところはありません。
デイリーガジェットを表示したところが↓です。
YouTubeを横向きに再生すると↓です。縦長画面なので、左右の黒帯は厚めに入ります。
音質はこの価格帯で平均的なレベル。Libero Flipと比べても、違いはほとんど感じません。
ベンチマークスコア
ベンチマークスコアを見ておきましょう。
Geekbench 6のスコアは、シングルコア733、マルチコア2051。
GPUスコアが1300です。
ストレージはUFS2.2で、シーケンシャル読み書き速度はいずれもおおむね400MB/sでした。
どうしてもLibero Flipと比べてしまうと…
以上、「Blackview HERO 10」を見てきました。
本機の発売セール価格とほぼ同じ価格でFeliCa搭載で120Hzリフレッシュレート、Snapdragon 7 Gen 1搭載のLibero Flipと比べてしまうと、さすがに打ち負けます。
一方で本機はフリップ式の廉価折りたたみスマホとして、出来上がりは決して悪くないです。むしろ良く出来ていると思います。
デザインも安っぽさがなく、操作感は快適です。
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