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Saturday, May 9, 2020

神奈川)給食食材を子ども食堂へ 元教員とパン屋 鎌倉 [新型コロナウイルス] - 朝日新聞社

 小学校の休校が長引く中で、神奈川県鎌倉市では学校給食用の食材などが、子ども食堂を始めた飲食店に届けられた。食品ロスを減らし、プロの味を格安で実現し、料理人には日頃使わない食材で新レシピをひねり出す機会になる一石三鳥。取り組みを支えたのは、食と子どもが大好きな「元気満々の後期高齢者」と、「そのアッシー君よ」と笑うパン屋のおじさんだ。

 「今度は『あられはんぺん』をお願いします」。4月中旬のある朝、鎌倉市教育委員会学務課から、渡辺公子さん(77)に連絡が入った。

 ひな祭り用だった紅白の小粒はんぺんは、冷凍の1キロ入りが45袋もあるという。渡辺さんはすぐにあちこちに電話し、「ほしい」と答えた12カ所に振り分けた。臨時休校が始まってから、市内では子ども向けの食堂や弁当販売を始めた飲食店が増えた。

 「食材提供はいつも急なので、電話が一番」と、渡辺さんは知る限りの店に連絡する。「はんぺんは使ったことがない」というイタリア料理店にも、かつて市内の高校の家庭科教員だった渡辺さんは「この際、新しい料理を考案して」と屈託ない。

 在職中から市民活動に熱心だった渡辺さんは、3年前から月に数回、楽しい食育の場「ふらっとカフェ鎌倉」を開催してきた。

 市民が寄付した余剰食材を福祉催事などに使う市の「フードドライブ」事業との連動で、会場は定休日の協力飲食店。持ち込んだ食材を各店のシェフが調理するのを、安い参加費で大人も子どもも手伝ったり味わったりワイワイ過ごす。

 そんな「カフェ」も中止された3月初め、大量の在庫を抱えた青果卸から渡辺さんに相談があった。給食用に市が購入したタマネギ140キロを学校は「廃棄して」と言うが……。「もったいない」と押しとどめたものの、カフェで使う量とは桁違い。どう運ぶか。顔が浮かんだのが、「かまくらベーカリー」の山本真揮さん(61)だった。

 1948年創業のパン屋は、市内の腰越から近隣小学校などに長く給食のパンを届けてきた。父、兄から引き継いだ山本さんだったが「真夜中の仕込みがつらくなって」2年前に閉店。「第二の人生」では、高齢のなじみ客にパンの宅配を始めた。

 ついでに買い物を頼まれたり、カレーパンと一緒に揚げたコロッケや唐揚げを届けたり。この面倒見の良さで、渡辺さんの依頼に二つ返事で応じた。白い軽自動車で市内を縦横に走り、土地勘もばっちりだった。

 その後も、鶏肉数百キロだ、ニンジンだ、ゴボウだと食材提供が相次ぎ、そのたびに山本さんが出動。休校で給食食材がだぶついたこの2カ月で、配達は10回ほどに上った。

 助手席に同乗する渡辺さんは「アッシー君だなんて、もったいない。山本さんがいなけりゃできない仕事ですよ」と大いに持ち上げる。底抜けに明るい2人なのだった。(織井優佳)

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May 09, 2020 at 06:30PM
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