新型コロナウイルス特措法に基づく緊急事態宣言の解除を受け、静岡県内各地で小中学校の再開が相次ぎ、3月ごろから休止していた給食が近く本格的に始まる。苦境を乗り切った地元の生産者は食材の納入再開に安堵(あんど)するとともに、食の安心・安全を守り、食育にも貢献するという役割を改めて認識する。給食需要に過度に依存しない新たな事業展開を模索する動きも出ている。
「痛手は大きかったが、やっと歩き出せる」。富士、富士宮市の学校給食用に牛乳を供給する「富士の国乳業」(富士宮市)の佐野将史社長は喜びを口にする。
同社の牛乳製造は給食専門だったため、売り上げの大半が絶たれる事態となり、一般向けのヨーグルトを強化して販売数量を倍増させた。給食用の出荷を再開するとともに、リスク分散に向け家庭に牛乳を届ける新事業を計画している。
佐野社長は「事業を広げながら、今後も子どもたちに質の高い牛乳を届けたい」と決意を新たにする。工場では30日の製造再開を目指し、機器点検などの準備を進めている。
JAとぴあ浜松(浜松市東区)は市内小中学校と特別支援学校に野菜や果物、肉加工品など約20種類を出荷し、地産地消を進めている。同市の学校給食は6月1日に再開される予定で、ジャガイモやコマツナなどをさっそく納入するという。
同JA地産地消課の柴田卓実課長は「食育の一環として、学校給食は地元の農畜産物を子どもたちに知ってもらう好機。引き続き新鮮な食材を供給したい」と意欲を高めた。
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May 28, 2020 at 01:08AM
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笑顔育む給食食材再び 小中校再開、静岡県内生産者「前向く」|静岡新聞アットエス - @S[アットエス] by 静岡新聞
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