県内の料理人でつくる「調理研究越路会（こしじかい）」は今夏、新盆や旧盆に親族が集う際に食べる「おせち」を提案していく。新型コロナウイルスの影響による売り上げの落ち込みを挽回する狙いで、金沢市の補助金を活用。ミョウガやオクラなど旬の食材をふんだんに詰め込み、正月とは一味違った季節感あふれる内容に仕上げ、石川の夏の風物詩として定着を目指す。
越路会には県内の料理人約１００人が在籍し、４～６月は多くの店舗で営業自粛や規模縮小を余儀なくされ、売り上げも激減した。浅香敏泰会長（加賀料理八百辰社長）がコロナ禍に苦しむ飲食業界を盛り上げるため、正月料理の印象が強いおせちをあえて夏に売り出すことを提唱し、賛同した会員有志計１１人の店で試験的に提供することにした。好評であれば、提供店の拡大も視野に入れる。
市がコロナの経済対策として創設した「金沢の元気回復プロモーション事業補助金」の交付を受け、ポスター制作費などに充てた。
越路会（こしじかい）によると、おせちの内容は店によって異なるが、いずれも旬の食材に職人が丁寧な仕事を施し、清涼感を前面に打ち出した構成となっている。
八百辰では、旬を迎えたミョウガの甘酢漬けやオクラの松前漬け、白ズイキのごまあえ、ウナギのかば焼き、夏野菜をローストビーフで巻いた料理など約４０種類が盛り込まれる予定だ。
おせちを取り扱う１１店舗では、７月１３～１５日と８月１３～１５日、１日１０食限定で販売する。２万円と１万円（いずれも税抜き）の２種類を用意し、事前予約が必要。各店舗は食中毒を防ぐため、購入当日に食べきるよう求めている。
浅香会長は「盆に親族で囲む料理はオードブルやすしが多いが、夏に食べるおせちのおいしさもアピールし、提供店舗の輪を広げていきたい」と話した。八百辰以外におせちを提供するのは次の店舗。
あまつぼ、和の食いつき、かが美、旬彩和食口福、加賀料理大名茶家、玉寿司本店、和処ながせ、和乃食はねや、ホテル金沢、旬彩和樂
北國新聞社
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July 03, 2020 at 09:10AM
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