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Sunday, October 11, 2020

RTX 3080搭載で水冷式のゲーミングパソコン「G-Tune EP-Z」 - PC Watch

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GeForce RTX 3080搭載の新型フルタワーパソコン

G-Tune EP-Z

 マウスコンピューターのゲーミングパソコンブランド「G-Tune」より、フルタワーケースを採用したゲーミングデスクトップパソコン「G-Tune EP-Z」が発売された。

 最新のGPUであるGeForce RTX 3080をフルタワーケースに搭載する、王道のハイエンドパソコン。G-Tuneブランドでは最初のGeForce RTX 3080搭載機となる。

 高いスペックだけでなく、デザインまでこだわったケースも特徴だ。内部構造も含めて、実際の製品をチェックしていく。

CPU水冷ユニット搭載、ストレージや電源にいたるまで隙のないハイエンド構成

 「G-Tune EP-Z」のスペックは下記のとおり。

【表1】G-Tune EP-Zのスペック
CPU Core i7-10700K(8コア/16スレッド、3.8~5.1GHz)
チップセット Intel Z490
GPU GeForce RTX 3080(10GB)
メモリ 32GB DDR4-2666(16GB×2)
SSD 1TB(M.2 NVMe)
HDD 2TB
光学ドライブ DVDスーパーマルチ(スロットイン)
電源 800W(80PLUS Titanium)
OS Windows 10 Home
汎用ポート USB 3.1×2(Type-C×1、Type-A×1)、USB 3.0×6、USB 2.0×2
カードスロット なし
映像出力 HDMI、DisplayPort×3(DisplayPort-DVI-D変換ケーブル付属)
有線LAN Gigabit Ethernet
その他 音声入出力、S/PDIFなど
本体サイズ(幅×奥行き×高さ) 215×490×501mm
重量 約18kg
税別直販価格 299,800円

 CPUはi7最上位のCore i7-10700Kを搭載し、GeForce RTX 3080と組み合わせた。メインメモリは32GB、ストレージは1TBの大容量SSDに2TB HDDも搭載し、容量的にヘビーなゲームにもしっかり備えられる。

 80PLUS Titaniumの高効率電源を採用しているのもポイント。処理能力に影響する部分ではないため、完成品のパソコンでは安価なものが使われがちだが、あえて80PLUSのなかでも最高峰ランクの製品を搭載している。電源は高効率であることと高品質であることは必ずしもイコールではないが、開発者の気配りが見えるのはポジティブだ。なお今回の試用機では、カスタマイズで選択できる80PLUS Goldの1,200Wのものが搭載されていた(+7,800円)。

 スペック以外の仕様としては、240mmのラジエータを備えた水冷CPUクーラーが標準となっている。さらにカスタマイズでラジエータを1.5倍サイズの360mmのものに変更もできる(+6,000円)。ちなみに今回の試用機はこの360mm仕様となっており、標準仕様よりも冷却力が上がり、静音化にも寄与していると思われる。

 カスタマイズではこのほかにも、メインメモリやSSD、HDDの容量アップや、高性能CPUグリスへの変更もできる。またケース左側面を内部が見えるライトスモーク強化ガラス仕様にしたり(+6,000円)、後部とラジエータ冷却用の120mmファンをLED搭載型に変更もできる(スモークガラスと合わせて+15,200円)。今回の試用機では、スモーク強化ガラスとLED搭載型ファンに変更されている。こちらは見た目の変更であり、スペックへの影響はほとんどないはずだ。

 なおキーボードやマウスといったデバイス類や、電源ケーブル以外のケーブル類は付属しない。カスタマイズ時に追加注文が可能なので、必要な人は忘れずに。ヘッドフォンやスピーカー、Windows Helloによる顔認証対応のWebカメラなども追加できる。

4KやVRでも快適な性能を発揮

 次は実機の検証に移る。まずはベンチマークテストを試してみた。利用したのは、「PCMark 10 v2.1.2506」、「3DMark v2.13.7009」、「VRMark v1.3.2020」、「FINAL FANTASY XV WINDOWS EDITION ベンチマーク」、「ファイナルファンタジーXIV: 漆黒のヴィランズ ベンチマーク」、「ファンタシースターオンライン2 キャラクタークリエイト体験版 EPISODE4」、「CINEBENCH R20」、「CrystalDiskMark 7.0.0」。

【表2】ベンチマークスコア
「PCMark 10 v2.1.2506」
PCMark 10 7,153
Essentials 9,795
Apps Start-up score 13,097
Video Conferencing Score 7,546
Web Browsing Score 9,510
Productivity 8,765
Spreadsheets Score 10,197
Writing Score 7.535
Digital Content Creation 11,571
Photo Editing Score 15,855
Rendering and Visualization Score 16,845
Video Editing Score 5,802
「3DMark v2.13.7009 - Time Spy」
Score 15,801
Graphics score 17,280
CPU score 10,642
「3DMark v2.13.7009 - Port Royal」
Score 11,129
「3DMark v2.13.7009 - Fire Strike」
Score 30,156
Graphics score 42,039
Physics score 24,594
Combined score 10,845
「3DMark v2.13.7009 - Night Raid」
Score 60,541
Graphics score 137,165
CPU score 14,534
「3DMark v2.13.7009 - Sky Diver」
Score 64,413
Graphics score 129,401
Physics score 21,641
Combined score 35,748
「VRMark v1.3.2020 - Orange Room」
Score 13,366
「VRMark v1.3.2020 - Cyan Room」
Score 16,381
「VRMark v1.3.2020 - Blue Room」
Score 5,345
「FINAL FANTASY XV WINDOWS EDITION ベンチマーク」(高品質)
3,840×2,160ドット 7,414
1,920×1,080ドット 12,897
「ファイナルファンタジーXIV: 漆黒のヴィランズ ベンチマーク」(最高品質)
1,920×1,080ドット 21,005
「ファンタシースターオンライン2 キャラクタークリエイト体験版 EPISODE4」(簡易設定6)
1,920×1,080ドット 119,704
「CINEBENCH R20」
CPU 4,903pts
CPU(Single Core) 507pts

 さすがはハイエンドモデルだけあり、すばらしい性能を見せている。「FINAL FANTASY XV WINDOWS EDITION ベンチマーク」では、4Kでも「快適」の評価となっており、4Kでも画質を下げることなくプレイ可能なラインとなっている。

 また「VRMark」でもっとも処理が重い「Blue Room」でも、ターゲットフレームレートとされている109fpsを上回り、平均フレームレート116.51fpsを記録している。最近はVR機器の解像度が上がっており、その分だけ処理負荷も高くなるが、本機であれば当面は困ることはなさそうだ。

 CPU関連のスコアもシングルコア・マルチコアの両方で高い結果が出ている。32GBのメインメモリを搭載していることもあり、ゲーム以外の用途にも十分対応できるし、あるいはゲームの裏で配信など別の作業を動かすのにも向いている。

 ストレージはADATA製「XPG SX6000 Pro(SX6000PNP)」が使われていた。シーケンシャルリードは2GB/sを超えており、また容量も1TBある(OS領域で数十GBは消費しているが)ので、ゲーム用のストレージとして十分活用できる。

ADATA XPG SX6000 Pro

高負荷時にも水冷ならではの静粛性が魅力

フロントパネルはブラックとダークレッドの2色で、完全にフラット

 続いて実機の使用感を見ていく。G-Tuneこだわりのフルタワーケースは、形状はほぼおうとつのない直方体。カラーリングも内部を含めてほぼブラックで統一されており、前面右側にある端子部のみダークレッドの配色がなされている。G-Tuneと言えば、以前は西洋甲冑を模した意匠がトレードマークだったが、今や極めてシンプルなデザインになった。

 しかしフルタワーだけあって存在感はある。高さ50cm超、重量17.5kgの筐体はさすがに大きく、外箱から取り出すさいには「2人で取り出すように」という注意書きが入っている。筆者は慣れていることもあり、注意しながら1人で取り出したが、できれば事前に手伝える人を呼んでおくといい。無理に持ち上げて取り落とせば、足に落ちて大けがをしないともかぎらない。

 本体を見ていくと、フロントパネルの上部に端子類が並び、その下にスロットイン式のDVDスーパーマルチドライブがある。筆者の好みもあるが、USB等の端子類が上向きだと端子部にホコリが貯まりやすいので、横向きの本機はありがたい。

 前面の端子はUSB 3.0×2、USB 2.0×2、ヘッドフォン端子、マイク端子。欲を言えば、そろそろ前面にUSB Type-C端子が欲しい気はする(背面には1つある)。あとは電源ボタンとパワーLED、アクセスランプという構成だ。

フロントパネルのボタン・端子部。上から、電源ボタン、パワーLED、アクセスランプ、USB 3.0×2、マイク端子、ヘッドフォン端子、USB 2.0×2

 電源を入れてみると、静かな部屋ではファンの回る音が聞こえる。低めの風切り音で、音楽をかければまぎれてしまう程度の小さな音だ。就寝時に耳元にあるとさすがに気になるかもしれないが、アイドル状態では十分静かと言っていい。

 次に3Dベンチマークテストで高負荷をかけてみた。動き出してからしばらくしても、音の変化がわからない。CPUは大型ラジエータのおかげで音の変化がほとんどないのはわかるが、空冷のはずのGPUからの音の変化も感じられない。

 GPUへの負荷が足りないのかと思い、「3DMark」を動かしてGPUの負荷を見てみたが、確かに100%使用している。そこから長時間にわたって高負荷をかけ続けると、極めて緩やかに騒音が大きくなっていく。最終的にはそこそこ大きな音になるが、耳触りな高音はほとんどなく、ゲームの音をスピーカーから出していれば許せるレベルには収まっている。

 騒音のストレスは急激に大きくなることによって生じやすい、というのが筆者の経験則。本機は音の変化が極めてゆっくりで、そこそこ大きな騒音になった時にはすでにゲームがある程度進んでいて気になりにくい。また動画視聴などでは負荷はほとんど上がらないので、静かな環境で利用できるのも利点だ。

静粛性にこだわったゲーミングパソコンを、自分好みの外見に

 本機は最新パーツで組み上げたハイエンドパソコンに、標準でCPUの水冷ユニットを搭載し、高い静粛性を持つのが魅力。高性能なパソコンはどうしても騒音が大きくなるが、ヘッドフォンをせずにスピーカーで最新ゲームを楽しみたい、という人におすすめできる1台だ。

 ただし重量のあるフルタワーなので、設置作業や設置スペースには注意。ハイエンドパソコンのわりには背面の排気は少なめだが、それでも高負荷時は温風が出るので、本体後方への配慮は必要だ。

 内部は3.5インチのシャドウベイに空きがないなど、拡張性は乏しい。フルタワーなので余裕があるだろうと思われがちなので注意が必要だ。ただ最近はUSB接続などによる外部機器も豊富だし、カスタマイズでSSDやHDDの容量アップ、2.5インチSSDの追加もできるので、さほど気にならない人も多いだろう。

 あとはやはり、外見も評価に入れたい。大型でそもそも存在感があるだけに、見た目が好みに合うかどうかは重要だ。標準仕様の落ち着いた外見が好みならそれでいいし、スモークガラスとLED内蔵ファンで控えめな装飾を入れてみてもいい。外見を含めたカスタマイズも本機の魅力と言える。

カスタマイズで大型ラジエータ、LEDつきファン、スモークガラス仕様にしたもの。スモークガラスでLEDの光が弱められるという、控えめな自己主張が高級感を漂わせる

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