東北地方の豊かな食材が改めて注目されている。新型コロナウイルスの感染拡大は収束が見通せず、自宅で食を楽しむ巣ごもり需要が衰えない。食材の王国を盛り上げる生産者や店を訪ね、お取り寄せ商品を紹介する。
「ローザビアンカ」「トレヴィーゾ」。イタリア野菜は高級感が漂う名前の通り、香り高さやしっかりとした味が特徴だ。本場アルプス近郊とよく似た寒暖差の激しい山形県河北町の気候が、野菜の持つ苦みと甘みの絶妙なバランスを育む。
町商工会と地元農家が連携し、2011年に生産を始めた。特産品化を目指し12年4月に「かほくイタリア野菜研究会」を創設。現在15人の地元農家が年間約70品目を生産し、多くを県内や首都圏のイタリアンレストランに卸している。
通信販売は、時季に収穫できる野菜を詰め合わせて届ける。夏野菜なら、大ぶりで丸みを帯びたナスの仲間で加熱すればとろみが出る「ローザビアンカ」や「カプリス」が人気。冬はサクサクとした食感のキク科の高級野菜「トレヴィーゾ」が生産者の一押しだ。
酸性に近い日本の土壌を本場イタリアのアルカリ性に近づけるため、石灰を混ぜるなど土作りを工夫する。多湿な気候が現地と異なるが、その分みずみずしく、生でも食べやすい野菜ができるという。
先行例もマニュアルもない中の栽培は手探りで、作物が突然駄目になる事態に何度も見舞われた。種をまく時期をばらばらにするなど試行錯誤を重ねている。
新型コロナウイルス禍で飲食店への出荷が落ち込み、個人消費の拡大を図る。研究会の佐藤淳也事務局長は「イタリア野菜が本格レストランから一般家庭の食卓まで広く使われ、産地の河北町にも注目がさらに集まるといい」と期待する。
[メモ]詰め合わせは1セット2キロ前後で3000円。別途700~1000円の送料がかかる。5月中は細長く柔らかい茎が特徴のブロッコリー「スティックセニョール」、黄色やピンクと色彩豊かなラディッシュなどを取りそろえる。年間の生産計画を「かほくイタリア野菜研究会」ホームページ(HP)で公開している。注文は電話かHP上のオンラインストアから。連絡先は研究会0237(84)0450。
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