種を取り除いた梅を1年間、粗塩に漬け、梅のエキスを染み込ませた大ぶりの赤シソで丁寧に四角く包む。津軽地方の女性たちが手仕事で脈々と受け継いできた「しそ巻梅漬」。青森県弘前市の「いした」は明治中期の創業以来、伝統の漬物を作り続けてきた。
弘前藩の4代藩主津軽信政は飢饉(ききん)に備え、梅など実のなる樹木の植林を奨励した。岩木山麓一帯は赤シソの栽培も盛んだったことから、漬物が生まれたのだという。
口に放り込むと、目が覚めるようなはっきりとした塩味に驚く。シソの香りが口の中に広がり、心地よい歯応えと、きりっとした酸味が後に残る。
「しょっぱいでしょう」と4代目の石田暢子さん(67)が笑う。時代に合わせて減塩することも考えたが「『この味がいい』というお客さまがいる。これはこれで守り続けることにした」と話す。
梅は皮が厚く食べ応えのある県産の「豊後梅」。保存料は一切使わない。
先代で母のまちさん(88)が商品の多角化を図ろうと考えたのが、アンズを巻いた「あんず梅(め)」。甘さと塩気のバランスの良さが評価され、2017年には「お漬物日本一決定戦」でグランプリを受賞した。
梅には殺菌効果があり、アンズは鉄分、赤シソはポリフェノールが豊富だ。石田さんは「塩分補給にも良いし、刻んでご飯に混ぜるのもお勧め。津軽に伝わる昔ながらの漬物を、ぜひ味わって」と話す。
[メモ]「しそ巻梅漬」たる入り(580グラム)は1836円。「あんず梅」(170グラム)は734円。送料別途。ホームページ、電話で注文を受け付ける。連絡先は0172(82)3410。
からの記事と詳細 ( <東北の食材お取り寄せ>いした「しそ巻梅漬、あんず梅」(青森・弘前)ガツンと塩味 守り続け - 河北新報オンライン )
https://ift.tt/3tegvtO
No comments:
Post a Comment