春から夏にかけて、避けきれないのが肌への紫外線ダメージです。身体の中からきれいになるためのポイントを専門家に教えていただきます。
規則正しい生活が基本
夏を思わせる日差しが多くなってきて、紫外線対策が気になっている人も多いのではないでしょうか。野村皮膚科医院(横浜市神奈川区)院長の野村有子先生は、「紫外線対策は総合的に行うべき」とアドバイスします。
「春は、地上に降り注ぐ紫外線がどんどん強くなる時期です。例年5月は、8月に次いで紫外線量が多い月です。ところが、春は軽装になって肌の露出が増えたり、紫外線対策をせずに“うっかり”外に出たりしやすいのです」(野村先生)
確かに、春は日差しが夏のように強くないせいか、ちょっとした外出なら日焼け止めなど怠ってしまうことがあります。実は、洗濯物干しやゴミ出し、窓ガラス越しなど、日常生活のなかで紫外線を浴びてしまう機会は意外に多いものです。
「紫外線は、肌にとって日焼けだけでなく、シミなどの皮膚老化や皮膚ガンなどにもつながる外的刺激です。これからの季節は、日焼け止めや帽子などを使って、適切な紫外線対策をすること、そして十分な睡眠・休息、食事による栄養補給で、肌をダメージから回復させる必要があります」(野村先生)
紫外線ダメージを軽くする食事とは
食事では、何に注意したらよいのでしょうか。
「まずは3食、野菜、肉、魚などバランスよく食べることが基本です。肌は、常に生まれ変わっているものです。新しい肌細胞がつくられるためには、構成成分であるたんぱく質や脂質が必要であり、それらが体内でうまく使われるためにはビタミンやミネラルも欠かせません。旬の食材など、さまざまな食材を摂ることが大切なのです」(野村先生)
管理栄養士の柴田聡美さんも紫外線対策として、旬の食材を意識したいといいます。
「旬の食材はおいしいだけでなく、ビタミンなどの栄養が豊富に含まれています。特に春から夏にかけては、野菜や果物などの食材が豊富になる時季。これらの色や香り、苦味の成分は、ビタミン類や強い抗酸化力をもつ植物性天然物質で、紫外線対策に役立ちます。3食のなかに、必ず季節のものを取り入れるようにしましょう」
柴田さんが手軽に栄養補給するためによくすすめているのが、旬の野菜を使ったカラフルサラダです。
「ポイントは、アスパラやブロッコリーのように茹でて食べる野菜と、トマトやレタス、きゅうりなど生野菜を彩りよく組み合わせ、鶏ささみやとうふなどをトッピングすること。旬の野菜は風味豊かなので、ドレッシングよりも少量のオリーブオイルと酢やレモン汁をふって頂きましょう。
加熱など調理で失われやすい水溶性ビタミンと、油とともに食べると吸収率の上がる脂溶性のビタミンがともに効率よく摂取でき、良質なたんぱく質も補給できます。
茹でるのが面倒なら、洗ったあとにラップにくるんで電子レンジで加熱するのでもOK。野菜のバリエーションを変えながら旬の野菜を味わいましょう」(柴田さん)
おいしいものを楽しむことが紫外線対策に役立つなんて嬉しい限りです。日々の生活のなかから気にかけていきたいものです。
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