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Saturday, December 4, 2021

薪(まき)の形をしたクリスマスケーキを「ブッシュ・ド・ノエ… - 東京新聞

 薪(まき)の形をしたクリスマスケーキを「ブッシュ・ド・ノエル」というのはよくご存じだろう。ブッシュは木。ノエルはクリスマス。諸説あるが、考案したのはパリの菓子店で、一八七九年のことと伝わる。『お菓子の由来物語』(幻冬舎)に教わった▼なぜ、薪なのかははっきりしない。キリスト誕生を祝って夜通し、薪を燃やしたことに由来するとの説や、樫(かし)の薪を暖炉で燃やすと一年間、無病息災で過ごせる、という北欧の伝説と関係があるという説もある▼こんな言い伝えもある。貧しい青年が恋人にクリスマスプレゼントを買うことができないので代わりに薪を贈った。この話から「ブッシュ・ド・ノエル」が生まれたというのである▼高いから今年はケーキの代わりに薪にするか。冗談でもそんなことを口にすれば、楽しみにしている子どもたちから文句が出るだろう。残念ながら、今年のクリスマスケーキは値上がりの傾向にあるそうだ▼原油価格の高騰を受けて海外から輸送される、小麦や砂糖などの原材料費がまず上がっている。加えて、ケーキに欠かせないイチゴ。原油高でハウス栽培の暖房費が余計にかかり、こちらも値が張る▼英国の伝統的なクリスマスケーキといえば「クリスマスプディング」。材料をかきまぜながら、願い事をするそうだ。少々無粋ながら、今年は原油市場の安定を願い、かきまぜたくなる。

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