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1個1万円以上でも2カ月待ち 手描きの似顔絵載ったイラストケーキ 多可・戎屋菓子店

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更新日:2022年03月13日

■明治28年創業の老舗 経営者・園崎順也さん(38)
 生クリームたっぷりのホールケーキに、本物そっくりの似顔絵が載った「イラストケーキ」。依頼主から送られた写真を見ながら、チョコレートで描き上げる。子どもの誕生日プレゼントや、記念日を祝うカップルから人気を集め、1日10~20件の注文が舞い込む看板商品に成長した。
 兵庫県多可町中区中村町の「戎屋菓子店」は1895(明治28)年創業の老舗。4代目の店主に就いた時には、地元産山田錦の酒かすを練り込んだ酒まんじゅうが名物の和菓子店だった。「店の幅を広げたい」と洋菓子を学び始め、神戸やフランスで研さんを積んだ。
 帰国後、本格的なフランス菓子をショーケースに並べたが、客の反応はかんばしくなかった。「地元の人にはなじみがなく、手に取りづらかったのでしょう」と苦笑する。それでも現在、店頭には和洋の彩り豊かな菓子が並び、訪れた人の視線を迷わせる。
 新型コロナがまん延し始めた2年前、「新たな名物に」とイラストケーキに取り組んだ。写真をケーキに印刷する店はあったものの、職人が手描きする店は少なく、透明フィルムにチョコレートの線で輪郭を描く方法を独自に編み出した。
 依頼主から送られた写真を見ながら、ベイキングシートを円すい状に丸めたペンで、人物の輪郭や顔のパーツをチョコの線で描く。カカオバターで色付けしたホワイトチョコを流し込み、固まってからフィルムをはがすと完成だ。
 注文がたまると、閉店後にまとめて輪郭を描き、従業員が色付け。もともと絵が得意だった訳ではないが「とにかく毎日描き続けて上達した」と笑う。
 編み出した技術は写真投稿アプリ「インスタグラム」で注目を浴びた。1個1万円以上と高額ながら、現在は注文から約2カ月待ち。品質と開発意欲が評価され、県が実施する「ひょうごいいね!お店表彰」では、3部門で知事賞を獲得した。
 「子どもの誕生日プレゼントに」と注文する人が多いが、新型コロナ下で帰省ができない祖父母宅に孫の顔のケーキを送る親も。思わぬ需要があったのはクリスマス前後。「12月24、25日生まれの子はクリスマスケーキで祝いを済まされがち」。洋菓子店では店頭から通常のケーキが姿を消すため「オンリーワン」のイラストケーキが望まれるという。
 店まで商品を取りに来られる人に限って注文を受け付けているが、瞬間冷凍の設備を導入して全国発送を計画している。「夏ごろには実現し、注文もウェブサイトから受けられるようになる。コロナで大切な人との関係が希薄になる中、お菓子の力で人を笑顔にできれば」といきいきとした瞳で語る。(伊田雄馬)

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