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Tuesday, August 16, 2022

オリオン座で赤く輝く恒星ベテルギウスが巨大爆発を起こしていたことが判明 - HYPEBEAST

NASA(アメリカ航空宇宙局)」が8月11日(現地時間)に公式サイトで発表したところによると、赤色超巨星 Betelgeuse(ベテルギウス)が大規模な恒星噴火を経験していたことを突き止めたようだ。天文学者によれば、このようなことはこれまで一度も無かったという。

上の画像上部に並んだ4つのイメージは、2019年1月から2020年3月までの時間経過とともに恒星から放出される質量を示している。下部は星の明るさの時間変化を表したグラフで、Betelgeuseの表面の大部分が巨視的な質量放出された後の明るさの変化を描画したものだ。放出された物質が冷えて塵の雲となり、地球から見ると、一時的に星が暗く見える。この前代未聞の星震により、200年以上にわたって観測されてきたモンスター星の400日周期の振動が乱れたことが分かっている。

Betelgeuseが現象として最初に注目を集めたのは2019年末で、オリオン座の右上肩で輝くこの星がの放つ光が暗くなり始めた時だった。その後この巨星は2020年にも薄暗くなり続け、一部の科学者は「この星が超新星爆発するのではないか」と推測し、それ以来この星に何が起こっているのかを突き止めようとしていた。

天文学者らがハッブル宇宙望遠鏡と他の観測所からのデータを分析したところによると、この星は巨大な表面質量放出という爆発現象を経験し、その可視表面のかなりの部分が失われたと考えられている。アメリカ・マサチューセッツ州ケンブリッジにある「Harvard–Smithsonian Center for Astrophysics(ハーバード&スミソニアン天体物理学センター)」のAndrea Dupree(アンドレア・デュプリー)は「Betelgeuseは今、非常に珍しいことを続けています。内部は、まるでゼラチンでできたデザートのように揺らいでいるのかもしれない」と説明している。

太陽はコロナと呼ばれる外層大気の一部を放出する“コロナ質量放出”を定期的に繰り返しており、この宇宙現象が地球を直撃すると衛星通信や電力網に影響を与える可能性があるとされている。一方で、Betelgeuseが経験した表面質量放出は、通常の太陽からの“コロナ質量放出”の4千億倍以上の質量を放出したとの研究結果も発表されており、今後どのような影響があるかは分からないという。

ただ、これらの新しい観測は赤色超巨星が超新星爆発を起こす前に、核融合現象が終わりを迎え、星の一生の後半にどのように質量を失うかを知る手がかりを与えてくれると言われている。この質量減少の度合いは、星の運命を大きく左右するとされるが、Betelgeuseが驚くほど機嫌を損ねているような現象がこの星の寿命が末期的だという証拠にはならないようだ。つまり、質量放出現象は、必ずしも超新星爆発が近いというシグナルではなく、今はこの大異変からゆっくりと回復している段階なのではと推測されている。 

いずれにしても天体で起こるこのような現象にはただ傍観することしか出来ないわけで、我々人間はちっぽけな存在である、ということを改めて想い起こされる事象の一例と言えよう。

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