クリスマスケーキの予約受け付けを始めた都内の洋菓子店では卵の仕入れ価格が去年に比べて高い状況が続いているとして、今後、仕入れ価格が上がるようなことがあればケーキのさらなる値上げも検討せざるを得ないとしています。
東京・大田区にある洋菓子店では今月上旬からクリスマスケーキの予約の受け付けを始めていて、クリスマスの直前からはあわせて１０００個近いケーキを作ることにしています。
店ではふだん、ケーキなどに使うため毎週４０キロの卵を仕入れていますが、仕入れ価格はことし５月に１キロあたり３９９円と最も高くなり、最近はいくぶん落ち着いてきたものの今月は３００円台前半と、去年の同じ時期より高い状況が続いているということです。
店によりますと、去年７月ごろまでは１キロあたり２５０円ほどで、取引先の業者からは鳥インフルエンザや物価の高騰が影響していると説明を受けてきたということです。
店ではこのほかにも牛乳や砂糖、箱などの資材の仕入れ価格が上がっているとして、ことしは、やむをえず、２００円から６００円クリスマスケーキを値上げすることを決めました。
洋菓子店を経営する森下令治さんは「お客さまが少しでも楽しい時間を過ごせるよう、値上げはできるかぎり抑えました。ただ今後、卵などの仕入れ価格が上がるようなことがあればケーキのさらなる値上げも検討せざるを得ません」と話していました。
大田区の４０代の女性は「スーパーに行っても卵の値段が高いと感じます。年に一度、子どものためなので値上げされてもケーキは買うことにしています」と話していました。
東京２３区における卵１パック、１０個入りの小売価格はことし２月以降、高病原性の鳥インフルエンザの拡大などで急速に値上がりし、国によりますと、高止まりの傾向にあるということです。
農林水産省食肉鶏卵課は「今後の卵の価格動向を見通すことは難しいが、さまざまな状況を把握しながら慎重に見ていく必要がある」と話しています。
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