郷土料理こそがイタリア料理の真髄！
イタリア各地方の郷土料理や、マンマが工夫して作った料理を研究している齊藤奈津子さんが、家でも出来る簡単なイタリア料理をご紹介します。
お米がケーキに！ 目から鱗のドルチェ
イタリアには、各州に様々な料理がありますが、ドルチェも同様に沢山の種類があります。
今回は、15世紀ごろ北イタリアのボローニャという街で誕生したといわれる、伝統的なお米のケーキをご紹介します。
ボローニャは、イタリア屈指の美食の街としてよく知られる、エミリア・ロマーニャ州にあります。
チーズの王様と呼ばれるパルミジャーノ・レッジャーノ、パルマの生ハム、モデナのバルサミコ酢、そしてボローニャで誕生したボロネーゼソースなど、日本でも馴染みのあるイタリア食材の多くがこの地で作られています。
お米の生産地が近いことから、リゾットなどの米料理も多く作られています。このケーキも、そんなお米を使った郷土菓子のひとつです。
当時ボローニャで“装飾の祭り”というお祭りがあり、そのときに振舞われたと言われています。
10年に一度のお祭りということもあり、そのころ貴重だったお米やアーモンドをふんだんに使った、贅沢なケーキだったことがうかがえます。
お米がケーキになるなんて！ と思いますが、小麦粉を使わないので、純粋にお米の甘さが味わえる、目から鱗のドルチェですよ。
日本のおうちにある食材で、簡単に出来るイタリアの伝統的郷土ケーキ、ぜひ作ってみてはいかがでしょうか。
ドルチェ「お米のケーキ(torta di riso)」のレシピ
■材料(タルト型18cm分)
・米：100g
・牛乳：400ml
・卵：2個
・アーモンド：25g
・砂糖：50g
・レモンの皮：1/2個分
・ラム酒：大さじ1(あれば)
・粉砂糖：お好みで
■作り方［所要時間：90分］
(1) アーモンドは細かく切る。
(2) レモンはよく洗って、皮をピーラーか包丁で細長く切り落とす。皮の内側に白いワタが残っていたら、なるべく削り取る。
(3) 鍋に(2)のレモンの皮と牛乳を入れ、弱火で温める。
(4) (3)が沸騰したら、米を洗わず鍋に入れ、ときどきかき混ぜながら弱火で15分程煮る。
(5) 米がアルデンテ(噛んだとき、わずかに芯が残っているくらい)の柔らかさになったら、鍋を火からおろし、レモンの皮を取り出して人肌まで冷ます。
(6) (5)の鍋に、砂糖、アーモンド、卵、あればラム酒を入れ、かき混ぜる。
(7) タルト型にオーブンシートをしき、(6)の生地を流し込み、180℃のオーブンで40分焼く。
(8) 焼き上がったら、お好みで上から粉砂糖をかける。
★Point
・お好みでシナモンや干しぶどうを入れても美味しいですよ。
・風味づけにアーモンドのリキュールを入れると、より本格的です！
・牛乳を温めるとき、バニラビーンズを入れると、より優しい甘さになります。お好みでぜひ。
齊藤奈津子(さいとう なつこ)
イタリア料理研究家。TVディレクターとして様々なジャンルのテレビ番組を制作するうちにイタリア料理の素晴らしさに目覚め、2009年、イタリア料理研究家1級を取得し翌年イタリアのフィレンツェへ料理留学。帰国後、イタリア各州の郷土料理を紹介する「イタリア家庭料理教室180℃」を開業。イタリアの食文化、そしてチョコレートを広める活動を続けている。インスタ：@natsukosaito0104
文・撮影＝齊藤奈津子
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May 27, 2020 at 03:00PM
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