史実から現代に通じるテーマを発掘して重厚で優れたエンターテインメント作品に仕立ててきた劇団チョコレートケーキの新作「無畏」(日澤雄介演出)が、7月31日から始まった(東京・下北沢の駅前劇場)。
新型コロナウイルス対策を講じたうえで、2年前に立ち上げた企画の上演にこぎつけた。舞台から最前列までは2メートルの距離を確保。2列目までの観客には、フェイスシールドを配布する。そういったことを含め、開演前の注意事項の説明が終わると満席の60人から拍手がわいた。
物語は今回も重く、終始緊張感がみなぎる。南京事件の首謀者として極東国際軍事裁判(東京裁判)で裁かれ、死刑に処せられた陸軍大将・松井石根(林竜三)が主人公だ。戦後、収監された巣鴨プリズンでの教誨(きょうかい)師(岡本篤)との会話、弁護士(西尾友樹)とのやりとり、あるいは戦時の部下への訓示・意見交換を通じて、事件の背景が浮かび上がる。
松井は、日中が連帯して欧米列強に立ち向かうべきだというアジア主義を唱え、人一倍中国にシンパシーを覚えていた人物だったことが皮肉だ。脚本の古川健は、いつも通り「歴史的な事実を参考にしたフィクション」と断っているが、戦争遂行現場の実相を想像させて考えさせられることが多々あり、それは俳優それぞれの生身の迫真の演技のぶつかり合いによるところが大きい。舞台の醍醐味(だいごみ)を、あらためて感じさせる。
軍人松井の思い、言い分はそれとして、自分の思いとはかけ離れた現実の責任をどう考え、どう帰結させるのか。組織を率いる者の覚悟という点で、戦時中に限らないテーマが胸に響く。
5日から千秋楽の10日まで公演時間に合わせて初めて有料の映像配信も行う。「同じ時間に同じ芝居を共有してほしい」という演出家の思いを反映させる。客席を半減させたための収益確保の一策だが、スタンダード版と俳優目線のアクターカメラ版を同時に楽しめる工夫をする。地方の演劇ファンには、食指が伸びる試みかもしれない。
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August 01, 2020 at 01:00PM
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劇団チョコレートケーキの新作舞台「無畏」戦時中の物語から現代にも通ずる組織を率いる者の”覚悟”描く - 中日スポーツ・東京中日スポーツ
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