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Friday, December 18, 2020

読む写真:行き場のない食材たち 外食自粛で価格下落、捨てるしか…… - 毎日新聞 - 毎日新聞

供給過多による出荷調整で大量に廃棄されるダイコン=神奈川県三浦市の三浦バイオマスセンターで2020年12月10日、北山夏帆撮影

 新型コロナウイルス感染の「第3波」で飲食店の時短営業や忘年会の自粛が呼びかけられる年の瀬。消費が滞る農産物の価格が供給過多で下落、出荷調整されるなど、第1次産業にまで影響が及んでいる。

 全国有数のダイコン産地、神奈川県南東部の三浦半島。周辺農家から廃棄野菜を受け入れ肥料を作る「三浦バイオマスセンター」(同県三浦市)に、うずたかく積まれたダイコンの山ができていた。11月に持ち込まれた作物は、昨年同月の220トンを大きく上回る約395トン。同センターの加藤重雄専務は「このままでは12月は1000トン近くになりそう。毎日職員が夜9時まで残業しても、翌日には同じだけの山ができる」と話す。

 ダイコンの大量廃棄には野菜価格の下落が関わっている。農林水産省が12月7~9日、全国470店舗に調査した平均小売価格は、平年比で、ダイコン73%▽ハクサイ65%▽レタス50%と軒並み下落。秋の好天による豊作に加え、新型コロナ感染拡大に伴う外食控えで業務需要が減少。供給過多に拍車をかけている。

 三浦市農協は、業務用の需要が高い3Lサイズ(1本1・7キロ以上)のダイコンを、12月に入り出荷停止にした。一般的に需要がある2Lサイズでも、1ケース(8本)あたりの農家の手取り単価は12月上旬、秀品が平年の半値以下の318円、わずかな曲がりなどがある優品ではたった65円だ。現在はやや持ち直しているが、1箱約100円の出荷用段ボールの価格を切ると出荷しても大きく赤字となり、大量の廃棄につながる。担当者は「台風がなく生産が順調だった中、コロナによる外食の自粛が重なった。農家さんの苦労を考えると心苦しい」と吐露する。

 同市で約30年ダイコンを育ててきた農家の長谷川清志さん(48)は、「いわゆる豊作貧乏。…

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